介護保険の仕組みについて、ご紹介します。
1.介護保険制度の運営主体(保険者)は、市町村です。
2.40歳以上の方は、介護保険に加入しなければなりません。
3.保険料は、40歳以上の被保険者が納めますが、65歳以上(第1号被保険者)と40歳から64歳(第2号被保険者)の方では、保険料は異なります。
【65歳以上(第1号被保険者)の方】
保険料は、本人の所得と介護サービスの水準に応じて決定されます。受給している年金額が、年額18万円以上の人は、年金から保険料が天引きされるようになっています。逆に、18万円未満の人は、直接納めることになっています。
平成18~20年度の保険料の段階です。
第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者かつ住民税世帯非課税
基準額×0.5 保険料(年額)22,680円
第2段階:住民税世帯非課税かつ前年所得金額+課税年金収入額が80万円以下
基準額×0.5 保険料(年額)22,680円
第3段階:住民税世帯非課税で第2段階以外
基準額×0.75 保険料(年額)34,020円
第4段階:住民税本人非課税
基準額 保険料(年額)45,360円
第5段階:住民税本人課税(本人所得が200万円未満
基準額×1.25 保険料(年額)56,700円
第6段階:住民税本人課税(本人所得が200万円以上)
基準額 ×1.5 保険料(年額)68,040円
要介護状態の場合や、日常生活においても支援が必要な状態になった場合に、サービスを受けることができます。
【40歳から64歳までの方(第2号被保険者)】
医療保険の加入者の人は、医療保険の種類や、所得によって異なります。納める保険料の半額は、国の負担となります。ご自身が加入している医療保険(社会保険や国民健康保険)と合わせて納めることになっています。
要介護状態や、要支援状態(初老期の認知症など老化が原因とされる病気による)になった場合、サービスを受けることができます。
介護保険制度の給付を受ける場合には、特定疾病にあたる病気があり、要介護認定を受けた人が対象となります。特定疾病とは、40歳から64歳の人(第2号被保険者)で、下記の特定疾病一覧に該当する病気を持っている人です。下記が、要介護認定を受ける際に対象となる、病気の総称です。
【特定疾病一覧】
・初老期の痴呆(アルツハイマー病、ピック病、ヤコブ病、脳血管性痴呆など)
・脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)
・脊髄小脳変性症
・糖尿病性の腎症、神経障害、網膜症
・閉塞性動脈硬化
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)
・パーキンソン病
・慢性閉塞性肺疾患
・早老症
・脊柱管狭窄症
・両側の膝の関節あるいは股の関節に著しい変形を伴う変形性関節症
・慢性間接リウマチ
・後縦靭帯骨化症
・骨折を伴う骨粗鬆症
・シャイ・ドレーガー症候群
以下に要介護度の目安を示します。
【要支援】 :ほぼ自立している、ときどき介護を要する場合があるなど、社会的支援が必要
【要介護1】:日常生活において、何らかの介助が必要であるなど、部分的に介護が必要
【要介護2】:移動、排泄、食事など、ごく軽度の介護が必要
【要介護3】:日常生活全般において、介護が必要であるなど、中度等の介護が必要
【要介護4】:理解力の低下、問題のある行動が見られるなど、重度の介護が必要
【要介護5】:意思の伝達能力の低下、寝たきりなど、最重度の介護が必要
介護保険制度を利用する際の介護保険料については、40歳になってから、支払う義務が生じます。「第1号被保険者」(65歳以上の被保険者)は、原則として、年金から天引きされます。「第2号被保険者」(40歳から64歳の被保険者)は、健康保険料にプラスされて、自動的に納付することになります。
また、要介護認定を受けた方が、介護サービスを受ける場合の料金は、サービス料の1割を、保険料とは別途、負担することとされています。
介護保険サービスは、原則としては、65歳以上の人(第1号被保険者)で、要介護度の認定を受けた人に限り、給付やサービスが受けられることになっています。しかし、65歳以上の人(第1号被保険者)でも、要介護度の認定が受けられなかった場合は、サービスを利用することができません。その場合は、自費で介護保険サービスを利用することになります。サービスや給付内容は、介護度によってさまざまです。
現在、日本の高齢化は、例のない速さで進んでいます。2025年には、65歳以上の割合が、総人口の14%以上を占めるとされています。
介護保険の成り立ちについてですが、現在、寝たきりになったり、介護を必要とする方が増加し、またその長期化にともない、介護する人も高齢となっているという状況があります。また、その介護者には、女性が多かったりすることと、家族にとっては、介護は、かなりの負担となっているケースが多いのが現実です。しかし、現在の社会保障制度では、それをまかなうだけの対応はできないという状況です。
その上、長引く不況や低成長などで、社会保障への、高齢者対策、年金、失業問題、医療のニーズは、ますます高まってきているという状況でもあります。そして、現在の日本において、財源不足といわれている中でも、介護保険制度は、高齢化社会に対応するために、新たに制定された社会保険制度です。
介護保険は、40歳以上の人が加入しなければならない強制加入保険です。保険者は、各市町村で、被保険者は第一号被保険者である65歳以上の方、及び第二号被保険者である40~64歳の方です。サービス内容や保険料は、各市町村によって異なりますので、確認してみてください。
厚生省の定めるガイドラインに基づいて、各市町村毎に、基準額が設定されています。これを元に、保険料が計算されることになります。
(1) 所得段階別の保険料(65歳以上の方の保険料の目安)
区分 :第一段階
対象者 :生活保護・老齢福祉年金受給者の方
負担割合 :基準額×0.5
基準額「¥2900」と仮定した場合の保険料:¥1450
区分 :第二段階
対象者 :住民税が世帯全員非課税の方
負担割合 :基準額×0.75
基準額「¥2900」と仮定した場合の保険料:¥2175
区分 :第三段階
対象者 :住民税が本人だけ非課税の方
負担割合 :基準額×1.0
基準額「¥2900」と仮定した場合の保険料:¥2900
区分 :第四段階
対象者 :住民税課税 本人所得合計が250万円未満の方
負担割合 :基準額×1.25
基準額「¥2900」と仮定した場合の保険料:¥3625
区分 :第五段階
対象者 :住民税課税 本人所得合計が250万円以上の方
負担割合 :基準額×1.5
基準額「¥2900」と仮定した場合の保険料:¥4350
(2) 医療保険別の保険料(40~64歳の方の保険料の目安)
医療保険 :健康保険組合
算定方法 :標準報酬額×保険料率
負担 :事業主が半額負担
平均的な保険料の試算額:¥3960×0.5=¥1980
医療保険 :政府管掌健康保険
算定方法 :標準報酬額×保険料率
負担 :事業主が半額負担
平均的な保険料の試算額:¥3000×0.5=¥1500
医療保険 :国民健康保険
算定方法 :各市町村で決定
負担 :国が半額負担
平均的な保険料の試算額:¥2600×0.5=¥1300
(3) 保険料の納め方
被保険者:65歳以上の方の場合
納付方法:年金受給金額が月1.5万円以上の方は年金から天引き
年金受給金額が月1.5万円未満の方は市町村からの徴収
被保険者:40~64歳の方の場合
納付方法:各医療保険料に上乗せして一括して納付
老後の不安の要因としては、まず第一に、介護が挙げられるでしょう。そして、その介護に関して、皆で支え合っていく仕組みが、介護保険制度です。
これまで、介護は、家族、特に女性が担うものでしたが、この制度がスタートすることにより、社会的な仕組みとして、取り組もうという改革が始まっています。
給付と負担の関係を明確にして、広く、薄く費用を分担してもらい、介護サービスを福祉給付制度から社会保険方式に変更していくことがひとつの目標です。
介護保険の制度の運営主体は、市町村、及び特別区(23区)となっています。運営側は、保険料の徴収などを行うと共に、保険料の財政の運営を適正に図りながら、利用者が要介護状態になった場合の保険給付を行います。
この制度がスタートしたのは、平成12年4月からです。そして、平成18年4月に、大きく制度改正が行われました。
介護保険を利用できる対象者は、医療保険に入っている人が、40歳になったとき(誕生日の前日)、または、40歳以上65歳未満で、医療保険に入っている人、医療保険に加入していない人が満65歳になったとき(誕生日の前日)、適用除外施設から退所したときです。
逆に、対象外となる場合は、第2号被保険者が医療保険加入者でなくなったとき、死亡したとき、及び、適用除外施設に入所したときです。
サービスを利用する場合は、介護保険被保険者証(保険証)が必要となります。これは、65歳になった月末までに、郵便に届けられるものです。40歳から65歳未満の人(第2号被保険者)は、要介護認定を申請し、認定された場合に、通知と一緒に同封され、郵送されてきます。
介護や支援などの介護サービスが必要になった場合には、介護保険制度のもとでは、どのような手続きをとればいいのでしょうか。下記に、申請のための一連の流れを、ご紹介したいと思います。
1.申請
介護や申請が必要と思った場合は、本人、または、そのご家族が、各市区役所の窓口へ、被保険者証を持って行き、申請を行ないます。
2.訪問調査
申請が終わると、日常生活や、心身の状況などを調査するために、「訪問調査員」が、利用者本人のところへ出向いて、調査が行なわれます。
・現況調査(サービスの状況、環境等)
・基本調査(心身の状況、特別な医療、廃用の程度)
・特記事項(基本項目では処理できない場合の介護の必要性を記述で記載する)
3.かかりつけ医(主治医)の意見書
訪問調査の結果を受け、医学的な立場から、申請者の状況について、医師に対して、「意見書」の作成依頼をします。もし、かかりつけの医師がいない場合には、指定された医師が紹介されます。その医師の診察を受けて、「意見書」を作成してもらいます。
4.介護認定審査会(審査・判定)
「2.」の訪問調査と、「3.」のかかりつけ医師の意見書をもとに、医療・福祉・保健などの専門家で構成される、介護認定審査会が行われます。そこで、申請者の介護の必要性が、審査、判定されます。判定内容ですが、介護の必要に応じて、下記のように分類されます。
◆非該当(自立)
◆要支援1~2:介護予防サービスのみ受けることが可能
◆要介護1~5:在宅介護サービス、および施設介護サービスのいずれも受けることが可能
5.ケアプランの作成
上記で要支援以上と認定された方は、サービスを受けることが可能となります。介護サービスを受けるためには、ケアマネージャーに、介護サービス計画である、ケアプランの作成を依頼します。このケアプランは、市区町村への届出が必要です。また、ご自身で作成することも可能です。ケアプランの作成費用は、全額保険給付対象となっています。利用者の自己負担金は一切ありません。
6.介護サービスの利用
上記で作成したケアプランをもとに、介護サービスを受けることが可能となります。
介護保険を受けるための、認定の流れについて、ご説明します。
【申請】
基本的に、市区町村の窓口で受け付けています。その他には、社会福祉協議会、在宅介護支援センターなどでもOKです。本人が行けない場合は、在宅介護支援事業者や、市区町村の民政委員などでも代行で申請することが可能です。
【訪問調査】
申請を行った人の家庭に、保健婦、ケースワーカー、ケアマネージャーなどの「訪問調査員」が訪れ、環境や状況などを調査します。大体1時間ほど、調査にはかかると思います。
【第一次判定】
第一段階の判定は、コンピューターを使用して行われます。
【第二次判定】
「認定審査会」と呼ばれる、市区町村の任命によって、保健、医療、福祉等、介護に関する学識経験者の中から選ばれた人たちによって、介護給付の有無、利用限度額などが決定されます。
【要介護度の認定】
上記の審査の件は、要介護度が示され判定を受けた場合、市区町村から認定がされて、「被保険者証」に記入され、本人に通知されます。おおよそ、申請~要介護度の認定までに、1ヶ月程度かかります。その期間が待てずに、急を要する場合には、費用の全額を利用する方が、全額立替払いをしておき、認定後に給付分の償還を受けるかたちがとられています。
【ケアプラン】
環境に応じて、在宅介護か、あるいは施設入所、訪問看護など、プランを作成してもらいます。ケアプラは、ケアマネージャーに作成してもらっても構いません。また、ご自身やご家族が作成されても構いません。プランの作成費用は、介護保険から給付されるので、自己負担額は無しです。
【サービスの利用】
ケアプランに基づき、サービスを利用する際は、サービス内容に関しては、利用者が自由に選択できます。ただし、費用に関しては、費用の1割を、機関や業者に対して、直接、利用者が支払うこととなっています。
【介護認定の見直し】
要介護認定は、3ヶ月から6ヶ月の間単位に見直されています。同時に、ケアプランも変えることが可能です。
【苦情の申し立て】
介護認定結果に、不服がある場合は、各都道府県に設置されている、「介護保険審査会」に「不服審査」というかたちで申請することができます。申請できる期間は、認定されてから60日以内とされています。
介護保険制度について、ちょっとした疑問について、記してみました。参考にしてください。
【Q1】
今、私が住んでいる地域とは違う地域に住んでいる80歳の父と、一緒に暮らすのですが、介護保険証が見つかりません。再発行は可能でしょうか?
【A1】
万が一無くされている場合は、再発行は可能です。しかし、65歳以上の方は、住んでいる市町村ごとに、介護保険に加入をすることになっています。住民票の移動と同様に、介護保険も転入や転出の際には、届出が必要となります。
しかし、住民登録の届出をされた時点で、介護保険の届出があったとみなしていますので、前に住んでいた場所で、転出届を出されているのであれば、資格が一度喪失しています。新しい市町村で住民登録をされれば、後日新しい保険証を発行して郵送してもらえます。
【Q2】
介護サービスを受けたいと考えています。今70歳で障害者手帳を持っているのですが受けられるでしょうか?
【A2】
障害者の方で、65歳以上の人が、要介護状態になった場合は、認定を受け、介護保険法に定める保険給付を受けることが可能です。その際、サービスが共通の場合は、介護保険から保険給付を受けることになるので、重複しての給付は行われません。しかし、介護保険でサービス対象外のものがあった場合は、引き続き障害者施策が利用できますので、ご安心ください。
【Q3】
私は外国人ですが、介護保険に加入できるのでしょうか?
【A3】
外国人登録をしていて、永住資格、特別永住資格がある方、在留期間が1年以上ある方、1年以上滞在すると認められている方は、介護保険に加入しなければならないことになっています。加入している方は、日本人と同様のサービスが受けられますが、同様に、保険料も納めなければならないことになります。
【Q4】
確定申告をする際、介護保険料は保険料控除の対象になるでしょうか?
【A4】
介護保険料は、社会保険料控除の対象となります。健康保険料と同等の扱いになります。また、配偶者等の介護保険料を支払っているという場合も、控除の対象になります。